昔の人は、食べ物に菌が繁殖するのは水に原因があることを知っていて、水を抜いて日持ちをよくする方法を発見しました。食料が乏しく冷蔵庫もない時代に、常温で長期保存したいという切実な思いが干物や塩漬けなど人為的に自由水を抜いて調整する方法を編み出しました。また、発酵食品など微生物の手助けによってたんぱく質が変性し、保存ができるようになりました。
ただ、この処理には時間がかかる上に手間もかかります。
砂糖も塩も酢も醤油そして味噌も、熟成精錬するには長い時間が必要なのです。
便利さには「お手軽」「リーズナブル」というイメージがあり、英語でconvenience(コンビニエンス)といいます。便利とか利便性という意味です。
人口が増え、科学的発展を遂げた近代社会で欠かせないのが石油です。
この石油によって作られた合成物質が、「着色料」「香料」「保存料」「甘味料」などで「添加物」と呼ばれています。添加物は、時間をかけて作ったものよりも本物っぽく、時間に縛られず安価に作れるので企業利益の向上につながります。それによって、いつでも安価で長持ちする製品を大量に供給することが可能なのです。
例えば、醤油は大豆と塩で発酵という長い時間をかけて作りますからちょっと高価です。
もう一方で、豆乳の搾りカスである「脱脂大豆(産廃物)」と「食塩(Na)」「アルコール(疑似発酵)」「カラメル(着色料)」「PH調整剤または安息香酸(保存料)」「ステビア(甘味料)」という安価な醤油風味のシロップもあります。
抗菌グッズにも殺菌成分が添付されていますが、殺菌や除菌のエタノールも石油由来です。闇雲に殺菌することで、菌への抵抗性(慣れ)がなくなり、過敏に反応するアレルギーなどの自己免疫疾患につながっています。
体内に合成添加物が入り込むことで、粘膜吸収から血菅へ入り込み、細胞に蓄積されて風邪をひきやすくなったり、低体温になったりします。
低体温は運動不足や血流低下だけで起こるのではなく、毒素が細胞内に蓄積することで、ミトコンドリア系のエネルギー生成が低下することでも起こります。特にPh調整剤、安息香酸ナトリウムと表記されている「保存料」は菌を繁殖させない働きがあり、体内に入ると腸内細菌の繁殖まで抑え込み、毒を排出するという排便機能の低下につながり毒が溜まりやすくなります。また、ビタミンCと反応するとベンゼンに変化する場合があります。ベンゼンは白血病を誘発することが確認されています。また安息香酸はパラベン類でありミトコンドリアの呼吸系を機能停止にしてしまうことで細胞毒性に関わっていると考えられています。
この石油由来の合成物質である化学物質は粘膜からだけでなく、皮膚からも入ってきます。自動車の排ガスに含まれる鉛や、水道水に含まれる塩素やトリハロメタン、農薬に含まれるパラコート(ビピリジン)なども皮膚から入ってきます。
※1. 口から入る「経口吸収」
2. 呼吸で入る「吸入」
3. 皮膚に触れる「経皮吸収」
4. 消化管から入る「粘膜吸収」
熱が出る。汗が出る。吐く。下す。咳をする。くしゃみ。鼻水。風邪は「出す」というオンパレードです。毒を上手く出さなくなって細胞が死にそうになったときに、周りにあるウィルスや細菌を使って毒出しをするのです。それが「風邪」です。
「長く効く」ものに柔軟剤があります。本来洗剤とは汚れを落とすものでしたが、着心地を追求する消費者の希望に応え、匂いが長持ちするものが売れています。長く効果を持たせるためには「付着率」を向上させなければいけません。本来「洗い流す」役目の洗剤が、「付着し定着させる」という洗剤に変わってきているのです。
柔軟剤が衣類に残留して柔軟効果や消臭、芳香効果をもたらす理由は、「陽イオン界面活性剤」(カチオン)と呼ばれる殺菌や除菌で使われる界面活性剤が衣類に長く留まるからです。この陽イオンが繊維に付着し、親油性の匂いが繊維の周りにまとわりつくのです。また繊維に帯電した静電気を通しやすくするため、静電気防止効果があります。その一方で吸水力が弱くなる傾向があり、蒸れや撥水が起きて、皮膚炎などの症状を悪化させる場合もあります。
ラベルには陽イオン界面活性剤としか書かれていない場合もありますが、第四級アンモニウム塩(ジアルキル、ベンザルコニウム)のことです。これは合成界面活性剤よりも何倍も刺激の強い合成物質です。
さらに、匂いを持続させるためにマイクロカプセルという壊れやすい殻の中に、微細粒子に加工した匂い物質を封じ込めてあります。ナノテクノロジーを駆使し、ウィルス並みに小さく加工された匂いという合成物質はもうPM2.5または遺伝子を持たないウィルスそのものです。摩擦や圧力、熱などで殻が弾け、クラスター爆弾のようにホコリよりも微細な粒子の合成物質を空中にまき散らし、人体だけでなくペットにまで影響を与えます。この匂いの化学物質もカプセルの化学物質も分解されることはないのです。海洋でのマイクロプラスチックが問題になっていますが、排水溝から垂れ流される柔軟剤のマイクロカプセルをもっと問題視するべきです。このまま対処することなく20年後、40年後に美味しい魚介類を食べることができるでしょうか?
体内に侵入してきた異物を貪食するマクロファージ(単球)は、TNFαを分泌しインシュリンが効かないインシュリン抵抗性を作り出し高血糖、肥満そして細胞はインターロイキン1を放出し続けてサイトカインストームという過剰炎症を引き起こす場合もあります。
界面活性剤入りの洗剤が、新コロに有効とか言っているコラムを見かけますが、健康促進のためにしているのかどうかよく考えて欲しいものです。
次亜塩素酸などの空間への噴霧についても、国内外の評価に関する情報の概要では、
(1) WHOの見解
噴霧や燻蒸による環境表面への消毒剤の日常的な使用は推奨されない。
消毒剤を人体に噴霧することは、いかなる状況であっても推奨されない。
これは、肉体的にも精神的にも有害である可能性があり、感染者の飛沫や接触によるウイルス感染力を低下させることにはならない。
(2)米国疾病予防管理センター(CDC)の見解
医療現場の消毒に係る一般論として、消毒剤噴霧は、空気や表面の除染のためには不十分な方法であり、一般感染管理には推奨されない。
(3)中国国家衛生健康委員会の見解
新型コロナウイルス対策に係る消毒薬ガイドラインにおいて、「人がいる状態で空間・空気に対して消毒を行うべきではない。
現状では、消毒液を空間に噴霧して空間に漂うウイルスを不活化する方法は、確立されていないため(不十分なため)、推奨されていません。
噴霧した消毒液と空気中に漂うウイルスが空気中で出会う確率が非常に低いためと考えられます。
また消毒液を空間に噴霧すると、人が消毒液を吸引して健康障害を起こす可能性もあります。
消毒液の空間噴霧よりも、「3密」回避による感染防御、特に「換気」によるウイルス排出をする方が有効であるということです。
今一度、職場やご家庭の新型コロナウイルス対策の見直しをしてみませんか?
健康のために何ができるのか?を考えるよりも、悪い菌(と思い込んでいるもの)を繁殖させないために「安くて」「長く効く」ものを安易に選んでいるのではないでしょうか?