感動という充実感が増すと、治癒力が取り戻せるはずです。
※陰陽五行では、心は喜びです。喜びと期待が入り交じり、楽観という感情になりますが、その反対の感情である焦りとなるのは、私の経験からこういう方が多く見受けられるからです。ご了承ください。
①制御できない
心臓は、中枢神経系に支配されていて、意識が届きません。
中枢神経系は、「生きる」ためにあるネットワークですから、命に危険が及ぶ行動を回避するために「反射」で「生きること」を自動化しています。心臓の拍動は、止めようと思っても、できません。
この自動という「反射」は、強烈な体験がフィードバックした記憶(=感情や精神)に影響を受ける自律神経に支配されます。
自律神経システムの中枢は脳の大脳皮質と中心部分(視床下部)にあります。ここから全身に自律神経線維が張り巡らされています。
交感神経が反応しはじめると副腎からアドレナリンとステロイドが分泌され、アドレナリンによって、心臓では心筋収縮力の増強と心拍数の増加が起こって、さらに全身の末梢血管は収縮します(日中、活動時)。ストレスが長く続いたり、寝不足が続くと、交感神経の興奮状態が続き心臓が過剰に働くことで、心臓にかかる負担が大きくなり、どうき、息切れ、不整脈などの症状が現われたりします。
副交感神経が反応しはじめると細胞質からアセチルコリンが分泌され、心筋収縮力の減弱と心拍数の減少、そして末梢血管の拡張がおこります(夜間、睡眠時や安息時)。 副交感神経の興奮状態が続くと、立ち上がったときに末梢血管の収縮が起こらず、頭部への血液が不足して、立ち眩みなどが現れたりします。
このように、心臓の働きは、心(脳・自律神経)と関係が深く、不調が生じているときは、心(精神や感情)の不調も併発している場合が多いです。
②続ける
心臓は一日に約10万回、平均寿命を80年余とすれば生涯で約30億回も、休息なき拍動を続けています。私たちはふだん、そのことを気にもとめませんが、これはものすごい重労働です。
問題なのは、そのために心臓が莫大なエネルギーを必要とすることです。生体のエネルギーとなるのはATPという物質ですが、エネルギーを大量につくると、その反動で心臓にとって有害な物質も大量に発生してしまうのです。なかでも活性酸素は、細胞のDNAを傷つけ、老化やがんの原因ともなる猛毒です。
休むことは許されず、必要なエネルギーをつくろうとすると猛毒を浴びる、このように過酷な状況にある心臓が、なぜ過労死せずに淡々と働いていられるのでしょうか?考えてみれば、実に不思議なことなのです。実は、副交感神経だけでなく、全身の細胞質でアセチルコリンが作られていることがわかっています。自分で自分を癒すことができるのです。
③干渉する
心臓は、血管で全ての臓器、器官(骨格や筋肉)、組織、細胞と繋がっています。
特に、肺と繋がり酸素と二酸化炭素の入れ替えを行い、腎臓と繋がって、体液の要であるナトリウムをお構いなしに調整します。心臓は、体調と関係なく、血やリンパという体液の流れと量のバランスをとっています。
①~③のことから、陰陽五行において、「風が吹くと、木が燃えて、成り行きで勢いを増す」火のエネルギーが当てはまります。火のエネルギーは、成り行きの具現化したエネルギーです。
①~③のことから、アーユルヴェーダにおいて、「神経質で緊張が多く、不安感や恐怖心が強い」ヴァータ(風)のエネルギーが増えた状態です。ヴァータは乱れ、頻繁を表します。
心臓は、好奇心が強く活発な人、新しいことにも挑戦できる人、その反面、気まぐれで飽きっぽい人、思いやりがない人、自分に都合のいいことばかり考える人、他人をあざ笑ったり、冷たくツンツンする人、表面上は明るくて調子がよくても心の裏では自分だけがかわいい人に共鳴する臓器です。この共鳴が、長く続くと行動や移動の頻度も増し、目移りしすぎて落ち着かないので、気にする必要がないことまで気にしてしまう強迫観念が湧き上がります。そのどうしようどうしようという恐怖感は、もともとは興味への「注意」や「警戒」という自分のペース、リズムだったものが、自分を忘れるとペースやリズムが乱れ、容易に「焦り」に転じてしまいます。徐々に大きくなると「パニック」になり、心臓が活性化しすぎて、炎症を起こします。さらに焦りが振り切れると無関心=上の空になります。
本来ヴァータが多い人の中でも暑さに弱い人が高温多湿の時期に、日常生活の乱れ、就寝時間の遅れ、頻繁な移動、慌ただしい食事、過剰な刺激によって、悪化すると言われています。また、現実から目をそらし、将来に目を向け過ぎているとヴァータは増大する可能性があります。
心臓
血管が奇形化してコブ状に進化した臓器です。心臓に進化出来たことで、自発的に体液を循環できるようになりました。心臓に共鳴する焦りが心臓を必要以上に活性化させ疲弊させます。
胃腸
血管が肥大化粘膜化して進化した臓器です。胃に進化できたことで食べ物を消化する分泌細胞、腸に進化できたことで、食べ物を消化・吸収するための絨毛細胞、栄養以外を吸収しないための免疫細胞で、大きな物質からも栄養とそれ以外を効率的に吸収消化できるようになりました。
胃腸が働くと、細胞質からアセチルコリンが分泌されて副交感神経が優位になり落ち着きます。腹腔内には脳(脊椎に沿う交換神経節)と同じくらい交感神経の密集地(神経叢)もあり、炎症になると興奮する反応もします。
心臓で処理しきれなくなった焦りの感情は、胃腸の機能も低下させます。
舌
顔の中でも生きるための入り口となる嚥下や呼吸を司る器官です。舌は味覚を感じるだけの器官ではなく、発音にも深く関係していて、神経がびっしりと張り巡らされています。舌体部と舌根部では、神経支配が異なります。まず、運動神経は舌下神経、前方2/3の味覚は顔面神経(鼓索神経)、知覚は三叉神経(舌神経)により支配されていて、後方1/3の味覚は舌咽神経と迷走神経に支配されていて、知覚は舌咽神経に支配されています。そして、味覚と一般知覚(痛みなど)でも神経が異なるのです。
なぜこんなに支配神経が複雑になっているかというと、舌根部は原始舌(一次舌)と呼ばれる魚類の舌であり、 舌体部は両生類が発達させた二次舌だからです。直立で氣道が折れ曲がり、さらに舌の神経と筋肉がどの生き物よりも発達したことで、発音が可能になったのです。
ですから、心臓の働きがにぶると、舌の神経緊張が起きて、首が疲れる、あごの噛みあわせが悪くなり肩の高さや骨盤の高さが変わる、口臭がする、むくみ、不眠や物忘れといった症状が現れてきます。さらに舌が白っぽくなり、ゲップ・痰や咳などの口から出すという行為が増えます。
焦りは未来への恐怖からくる警戒感情ですから、脳を覗こうとして目の焦点が定まらないか、怖くて覗こうとせずに無視して焦点が定まりません。
特に、(親の気分による同じ状況での叱責と称賛という)一貫性のない養育を受けた人は、常に他人から捨てられる強迫的不安を無意識に抱いていて、他人の顔色を疑ったり、孤独を極端に嫌うので、予想外のことが起こると心に余裕がなくなりやすくなります。
また、信じることができない不安な感情が基になっているのが焦りの感情ですから、落ち着きたくていろいろ考えすぎるので、こうすると決めたとしても結局不安が残ります。デマや冗談にも敏感に反応しやすく、絶えず最悪の事態(ネガティブ)を想定することで、どんどん焦りが大きくなります。
結果がどうなるかを気にしないためには、本音を隠そうと普段の自分でいられない、比べてしまうことで負けん気や嫉妬が芽生えて無理をしてしまうという、今までの性格や価値観を変える必要があります。例えば、自分なら間に合うとか、自分は特別だから許されるという思い込む癖や、本来と違う思ってもいない言動をしてしまう性格、嘘だと思っていないけど、相手に合わせて本心を言えないと思う癖のことです。
これを「ライフスタイルを変える」といいます。
焦る感情をなくす方法
自分のペースを取り戻す方法
①今の自分から脱却する
「どうなるかわからない」「やりたくない」「時間が足りない」といった不安は、未来の自分自身に対する思い込みです。この価値観は過去の記憶や経験から見いだしたものかもしれません。しかし、ただの思い過ごしかもしれませんし、未来は決まっていないし、無関係です。
今の自分から逃げ出そうとしていませんか?
「今日は、いつもと違う自分である」という意識を持ってみてください。昨日のような自分である必要はありませんし、決まっていません。結果は何が良くて何が悪いという事もありません。
未来ではなく今という時間に戻ってきて、「慎重になる」ことが重要です。
②不安に思う未来の自分から脱却する
何が不安で、何に焦っているかを、思いつくままに紙に書き出してみましょう。だれに見せるものでもないので、正直に言葉を並べてみます。書いているうち、だんだんと今の現状を客観的に見ている自分の考えが整理され、本当に不安に感じているのは、このことだったんだと未来への警戒の正体が見えてきます。頭の中だけで整理しようとせずに書き出すことで具体的にみえてきます。
感情の正体がわかると、この不安や焦りを打ち消すにはどうしたらいいのか、具体的な対策や目標を立てられるはずです。1ヶ月後、3ヶ月後、半年後、1 年後…と、段階を追いながら、なるべく具体的に設定するのがポイントです。
すると、どうなるか分からないという不安は、やりたくないことをして焦っていただけだったり、または何をするべきか明確になったら落ち着けたり、時間に追われる焦りは、自分がせっかちだったせいだったり、さらには無計画が原因で起きた間違いだったりするはずです。
そして、自分の好きなもの、気分を上げるもの、心ひかれることを書き出してみましょう。あらためて再確認することで、自分らしさや自分のめざす将来を明確にイメージすることができるようになります。
③過去の自分から脱却する
両親、祖父母、兄弟、彼氏、仲よしの友人など、いつも自分の味方になってくれる人を選んで「私のいいところって、どんなところ?」と投げかけてみてください。自分のいいところを再確認することで、不安や焦りがだんだんしぼみ、自分に合った将来像が浮かんできます。
そして、具体的な対策や目標を立てたら、口に出して主張することもおすすめです。
誰かに自分の目標を知ってもらうことで、思わぬところから出会いのチャンスがめぐってきたり、有効なアドバイスがもらえるなど、目標実現のための情報が自然と集まってくるものだからです。
また、口にすることで知らず知らずのうちに自分でも自覚をもてるようになる場合もあります。
慣れた自分を捨てる勇気が必要です。そしてライフスタイルを変えることが出来れば、焦りが減っていきます。
また、アーユルヴェーダのヴァータタイプの人が、バランスを回復させる要素は、
「暖かさ」
「接地していること」
「規則正しさ」
です。
体の中でのヴァータの役割は、空氣が入る空間を確保し、その空氣が十分に動き回れるようにすることですから、空氣が多すぎたり空氣が澱んだり足りなくなると代謝が滞りやすく、便秘などになりやすくなります。空氣に潜む常在菌を循環させ免疫を高めるためにも、掃除や換氣をすることが有効だそうです。
味覚の観点
心臓は血液を循環させる機能がありますが、心臓が疲れると血の巡りが遅くなり、酸欠になります。骨からマグネシウムが出やすくなり、腎臓や胃も疲れますから、ナトリウムも出やすくなります。
苦いものとしょっぱいものと甘いものを足したような「香ばしい濃い味」を欲しがります。
胃が弱く心臓が無理をした人はカラメルなど甘いものを欲しがりますし、おしっこの出が悪く腎臓心臓が無理をした人は漬物などの塩気を欲しがります。心臓が無理をした人は葱や大根などの苦味を欲しがります。風邪を引いていたり気管が弱く心臓が無理をした人は、食欲がありません。