こころは感情表現の代名詞ですが、熱いこころは本能的感情を、冷たいこころは理性的感情を表します。本能的感情は延髄・大脳辺縁系・小脳にあり、理性的感情は前頭葉にあります。
からだの遣い方と密接な関係がある小脳について考察します。
これまで、小脳の働きは運動の制御(バランス感覚)だと考えられてきました。でも最近の研究から、それは過去の常識となりつつあります。
小さな脳という名前の割には脳全体の85%以上のニューロンがあり、短期記憶や注意力・情動の制御・感情・高度な認識力・計画を立案する能力のほか、統合失調症(分裂病)や自閉症といった精神疾患と関係している可能性も示唆されています。
- 短期記憶:新しい出来事を記憶する機能
- 注意力 :行動や動きに注目する機能
- 情動 :急激に起きる喜怒哀楽などの気分
- 感情 :対象に対して抱く気持ち、感想
- 認識力 :物事に対する価値観や、長所・短所の見極める機能
- 計画力 :危機管理、責任感、慎重さ、優先順位に基づいた目標を設定する機能
小脳が機能低下すると記憶障害、注意散漫、興奮反応、嫌悪思考、認知症、手際が悪くなり危なっかしくなるというような状態になります。
小脳は筋肉に動きの指令を出す運動の制御機能というよりも、入ってきた感覚信号を統合する役目を果たしているのです。感覚神経の統合つまり、感じたことをまとめる機能なので感情に直結しているといっても過言ではありません。
小脳は後頭骨に守られていて、背筋や首の影響も受けます。首は内耳の前庭迷路と連携して平衡感覚だけでなく、目の動きの制御も行っています。
Harb396では
- レイジーエイト
- グラビティグライダー
- コクーン
- カーフポンプ
といったホールブレイン=脳統合運動で改善させていきます。
下の動画は私が敬愛する琉球キネシオロジー代表 齋藤慶太さん 主催の合宿風景の一部であるホールブレイン講座です。
自分の頭がどこを向いていて,どのように動いているかという平衡感覚は内耳の前提迷路にあります。動画の15:00くらいからしゃがむ確認動作と修正運動がありますが、手が上がりすぎるのは、前庭迷路系を含む感覚(視覚、聴覚、固有受容器など)が未熟で起きるモロー反射の残存の可能性があります。
大人のモローの残存は
- 肩を痛めやすい(体幹部の伸展機能の低下)
- 高所恐怖症(前に倒れやすい感覚のため)
- 階段の昇りが怖い(後ろに倒れやすい感覚のため)
などの症状が現れることがあります。
モロー反射の残存は、首や目の動きを修正することでも改善します。