5000年前からインドに伝わるアーユルヴェーダでは、3つのエレメントで表されます。ドーシャという体液を3つのエネルギーで表します。
ヴァータ(風):風は知識、意識を表します。
風は常に流動して止まる事がありません。
ピッタ(熱) :熱は欲求、活動を表します。
火は上へ昇る性質があります。
カパ (水) :水は感情、気持ちを表します。
水はくっつき、交ざり合う性質があります。
これらは、全て自然界にあるものです。つまり、私たちは自然を構成するもので出来ているという事です。
3つの要素は、自然の要素ですから、誰もが体の中に割合は違えど持っています。アーユルヴェーダでドーシャのバランスが崩れているというのは、大体そのドーシャが多くなってしまっていることを言います。
ドーシャ(体液)
①ヴァータ
お菓子、サラダなどの軽食やコーヒーを過剰に摂取すると悪化すると言われています。日常生活の乱れ、就寝時間の遅れ、頻繁な移動、慌ただしい食事、過剰な刺激によっても、ヴァータが増大する可能性があります。ヴァータタイプの人は、将来に目を向けていることが多いそうです。
ヴァータの人にとって、バランスを回復させる3つの要素は、「暖かさ」、「接地していること」、「規則正しさ」です。
その3つが不足すると、増えすぎたヴァータが、他のドーシャの比率へ影響を与えて、本来のその人が生まれ持ったドーシャの比率から遠のいてしまって、不調をきたすことになるのです。
②ピッタ
本来ピッタが多い人が、コーヒー、アルコール、辛い食べ物を摂取すると悪化すると言われています。また、働きすぎても暴力行為を目にしてもピッタは増大する可能性があります。
ピッタタイプの人は、感情が激しくなり、競争心が強く、批判的で高慢になります。熱したオーブンを冷ますのに時間がかかるように、頑強なピッタは、鎮めるのに時間を要するので、冷水で目や頭や足を洗ったり、冷たいシャワーを浴びたり、寝る前に星を見たりして心身を鎮めるようにすることが有効だそうです。
ピッタタイプの人がバランスを回復させる3つの要素は、「冷やす」、「落ち着く」、「中庸(ほどほど)」です。
その3つが不足すると、増えすぎたピッタが、他のドーシャの比率へ影響を与えて、本来のその人が生まれ持ったドーシャの比率から遠のいてしまって、不調をきたすことになるのです。
③カパ
食べ過ぎ、感情に任せた飲食、運動不足、物質的利益の重視によって、カパのバランスは崩れると言われています。カパが多い人は、過去に注目することが多い。
しかし、ひとたびバランスが崩れると、欲深さ、出し惜しみ、独占欲、倦怠感、抑うつといった形を通して、「重く粘着質」な性質が表に出てくる。
カパタイプの人がバランスを回復する要素は、「直感的に表現すること」と「激しい運動を行うこと」にあります。
後屈や側屈などの難しいポーズを行うと、停滞感を解消でますが、反対に、刺激的な食品や、苦味や渋みのある物を食べると、停滞感が助長されますから殊更にカパが多くなります。
乾いたブラシを使ってマッサージする、陽気な音楽を聴く、昼寝をせずに早寝早起きをすることによって、カパタイプの人のバランスは回復します。
例えば、ドーシャの①②③のどれかが、優勢だと感じた場合は、からだ自身がその増えすぎたエネルギーに対処する用意ができているということだと理解できるはずです。
からだは、その状態に対処するべく反応しているということです。
現れている状態は、良い悪いという事ではないということです。
これらと不自然な物質が組み合わさったエネルギーによって、私たちに良くも悪くも影響を受けます。
自然に照らし合わせて考えるので、専門的な知識は必要ありません。自分を強くするもの弱くするものを自然と重ね合わせて考えるだけですから、予防や自己回復に向いています。
部分的に細分化して考える現代医学に対して、東洋医学もアーユルヴェーダもからだ全体、人のライフスタイルに対してアプローチしていきますから、からだに対して負担が少なく無理する必要がありません。
- 体のエネルギー
- 心のエネルギー
- 食のエネルギー
- 心の持ち方と循環(生き方と呼吸や行動、社会性)