土は岩と生き物からできています。
岩がどんなに細かくなっても、それだけでは土にはなりません。それだけでは砂です。土になるためには細かくなった岩に、生き物の力が必要なのです。細かくなった砂に、バクテリアが住み着いたり、苔が生えたり、動物や植物の死骸が堆積したりすること。それが土が生まれるメカニズムです。
土には赤い土、黒い土があります。
植物の死骸(腐葉や腐植)が多く含まれると黒色になります。また玄武岩や火山灰(ガラス状物質)が風化し、その中の鉄分が酸化して水酸化鉄になると赤味がかった黄色になります。
この地球上には鉄が多く分布します。それは、多くの元素達(窒素、炭素、水素などその他)の中で鉄が最も安定した原子核を持っているからです。鉄(26)よりも小さな原始番号の元素が核融合(マントル)で溶けて鉄に含まれていき、鉄になっていきます。地球は水の惑星と思われていますがそれは表面的な見た目からであり、実は地球は「鉄」の惑星なのです。
生命が誕生したての頃は、まだ酸素は存在しなかったため鉄は酸化鉄にはならず、鉄イオン(二価(Fe2+)と三価(Fe3+)の鉄)のまま海水中に多量に含まれていました。自然発生的にこの鉄を使って最初の生命は効率的な電子の受け渡しシステム、つまり「呼吸」を手にいれたとされています。この二価と三価の鉄を利用してエネルギーを得るシステムを「鉄の輪」といいます。
海中で呼吸する生物が増え海中の鉄イオンが減ったことで、陸地に多く含まれる鉄を目指し、植物が進化進出しました。それほど鉄は生命体に必要であり,エネルギー代謝の根幹で働いているのです。
鉄イオンの特性として、エネルギーを使わずに電子のやり取りができる上に。その際に立体構造が変わらないという鉄化合物の性質が加わり,鉄を中心とした電子の受け渡し(これが呼吸とエネルギー産生の本質)に同じ鉄原子が繰り返し使え、安定したリサイクルができるのです。
血液が肺から全身に酸素を運んでいるのは、血液中の赤血球に存在するヘモグロビンが酸素を運んでいます。この大切なタンパク質であるヘモグロビンの合成に、必要不可欠なのが鉄分。血液が赤いのも、ヘモグロビンに鉄イオンがあるためです。ヘムは鉄単体ではなく、二価の鉄原子とポルフィリンと言う有機化合物からなる分子です(ちなみにヘムとグロビンと言う分子でヘモグロビンと言うタンパク質の分子を構成します)。
ですから、生きていくのに必須の栄養が鉄です。レバーやほうれん草などの食品に多く含まれます。鉄分を食品から摂取する場合、動物性の食品に多く(60%ほど)含まれるヘム鉄と、植物性の食品に含まれる非ヘム鉄とがあります。体への吸収率はヘム鉄15~25%、非ヘム鉄2~5%と数倍違います。鉄は水溶液中では二価と三価の鉄イオンがあります。
動物性の鉄分は有機化合物ヘムと言う形でそのまま吸収できます。非ヘム鉄は三価鉄でそのままでは吸収できず、ビタミンCや動物性タンパク質に含まれる消化酵素によって二価鉄に還元されて吸収されます。非ヘム鉄の吸収率の低さはここからきます。鉄分を取る時にビタミンCやタンパク質を一緒にとる事を勧めるのはここから来ているのです。
私たちの身体は鉄を作り出すことができませんので、食物から吸収するわけですが、栄養学的に、鉄分が不足すると鉄欠乏性の貧血などを引き起こします。水分が不足すると赤血球が数珠つなぎにくっついて血管を通りにくくなって、冷え性や肩こりがおきます。 また赤血球の濃度が濃くなり 「多血症」というドロドロ血になる恐れもあります。さらに血液中の脂分が増えすぎると 「高脂血症」となりドロドロ血液で赤血球の表面は硬くなって血管を通りにくくなります。これらは全て酸欠という貧血・虚血状態です
水分←水(H2O)をこまめに摂って、からだを温め手足を動かす。そして休むこれが大事です。