使いすぎ(オーバーワーク)と使わなすぎ(ロックアウト)が原因で、普段感じている感覚的なものの「ズレ」が知らないうちに起きます。それが疲労や肩こり・腰痛などの痛みになっていきます。
からだの位置を把握する脳と、その位置を知らせるセンサーにズレがあると、背骨の位置、首の位置、腕の位置、左右の高さの違いや微妙な捻じれ具合を把握しきれなくなって、からだが歪んでいることに気づかずにその姿勢を「正しい(合っている)姿勢」と思ってしまいます。
【 ズレを修正する方法 】
- 位置を知らせるセンサーの感度を上げる必要があります。
- 脳の把握を上書きする必要があります。
- 1. と 2.を定期的に行ってズレを軽減する必要があります。
位置を知らせるセンサーの感度を上げる
感じづらいときは触りながら感じましょう。
まずは仰向けに寝て、掌から感じていきます。まずは右手の指先から。親指→人差し指→中指→薬指→小指の順に感じてみます。次に左手も。その次は指の股、そしてMP関節。そして手首。次は肘。肘は感じ方が難しいので触りながら行います。肘窩(ちゅうか 曲がる側)も感じましょう。そして肩先。首をたどって耳まで来たら、上肢 手は終わりです。
次に足裏を感じていきます。まずは右足の踵から。内踝→母趾→示趾→中趾→環趾→小趾→外踝の順に感じてみます。次に左足も。その次はMP関節。そして足首。次は膝。膝窩(しっか 曲がる側)も感じましょう。そして股間節。股関節は感じ方が難しいので触りながら行います。鼠径部をたどって腸骨稜(骨盤の一番上)、へそまで来たら、下肢 足は終わりです。
一番感じ方が難しいのが背骨です。背骨は動かしながら感じることで感覚を上げていきます。四つ這いになって丸まる反る→左右に曲げる、正座して捻じることで感覚を掴みましょう。慣れてきたら、椅子に座るか仰向けに寝て、首から肩甲骨、横隔膜、腰、仙骨、お尻の穴の順に下がる方向で感じてみます。そして、上に上がりながら感じてみることを三往復してみましょう。
脳の把握を上書きする
上書きとは、真っすぐを感じ直すことです。
熱した鉄やガラスを伸ばす瞬間、真っすぐな軌道を描きます。真っすぐとは拮抗して伸ばすことにあります。この時真っすぐという言葉で、からだを緊張させたり、気を付けの姿勢にしてはいけません。形を維持するためにやってはいけないことは「固定」です。心臓で例えると、血を循環させるために心臓は動き続けます。からだは活動しながら「流動的」にバランスをとっています。言い換えると「歪む」ことで動きやバランスを保っています。行動も筋肉の形を変えることでできます。「歪み続けること」が必然であり、それを固定し強制する歪みの固定こそ病気であり、完全な固定が死に至るのです。
ですので、いつでも動かせるシーソーの安定したバランス状態あるいは、やじろべえの静止している状態をイメージしてください。一輪車や竹馬、球体に乗っているような感覚で真っすぐを感じて欲しいのです。
真っすぐとは伸ばした状態。それを固定させずいつでも動かせる状態で維持します。それが骨で立つ、座る、寝る、動くということです。
例を挙げると、手の真横に伸ばした位置の把握の仕方は、指先を左右遠くに離すことで真横になります。首も肩甲骨と後頭骨を遠くに離すことで定頸になります。
土台からバランスよく石を積み上げるように、あるいは糸で吊るされた下げ振りのように意識します。 やってみてください。
定期的に行ってズレを軽減する
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