本来ストレスとは達成感になりうるものです。
ただ生死に関わるストレスは私たちにとって最も強いストレスになります。
そうした緊急事態では、そこから全力で逃げ出すか戦うか固まるかしか生き延びる術はありませんので、瞬発力が必要になります。
緊急事態における身体の素早い生体反応に3つのFというものがあります。
①フリーズ 固まる反応
(頸椎の伸展筋や屈曲筋が弱い人)
(普段から考えすぎる人)
(胸や脇、膝やすねが硬い人)
危険だと思うと行動を起こす前に反射的に思考が止る反応になります。
※隠れる場所のないところで隠れようとするため起きる行動です。
・腕を組みながら、微動だにしないで、しばらく相手の反応を待つ。
・いつもより動きが少ない。
・前かがみになって小さくなる
・亀の首(肩を首まで上げる)
②フライト 逃げる反応
(足を上げる大腰筋や腸骨筋が弱い人)
(普段から否定的で気弱な人)
(外モモが硬い人、開脚が苦手な人)
危険だと思うとその脅威から遠のきたい、反射的に嫌なことから離れたい反応になります。
・身をそらす
・出口に足が向く
・膝の上にバッグを置く
・誰かから距離を置こうとする
・目を閉じる
・裾やネクタイなど装飾品をいじる。
③ファイト 戦う反応
(腕の付け根の三角筋、後ろモモ膝窩筋の硬い人)
(普段から負けず嫌いな人、不注意でケガをしやすい人)
(腕があげられない人)
危険だと思うとその状態を失くそうと、反射的に攻撃によって排除しようとする反応です。
・攻撃的な言動
・睨みつける
・胸を突き出す
・パーソナルスペースを無視して威嚇する
・拳を握る
このとき必ずふくらはぎが硬くなります。
人間は、強いストレスを感知し非常事態を認識すると、まず何とかそれに打ち勝つべく瞬発的な力を発揮できるようにします。
具体的には、まず大脳辺縁系が働き、脳の視床下部、下垂体から次々指令が出て、副腎皮質でストレスホルモンであるコルチゾールがつくられます。これが血液中のブドウ糖を増やして血糖値を高め、瞬発的な力の発揮に必要なアドレナリン産生を一気に促します。非常事態に対し交感神経を高めて対処するわけです。そうなると、脈拍は高くなり血圧も上昇します。精神的にも高ぶった状態になるので、眠れなくなるのです。
そして脳が硬くなり、思考も柔軟性がなくなって、全てを拒むようになります。
スムーズに回復状態に戻すには疲労を「感じること」です。
疲労を感じるには、無理をしない頑張りすぎないことです。スポ根のような精神論では心が壊れてしまいます。ある程度鍛えることも大切ですが、回復のための休養が必要です。休養とは「休む」ことと「養う」ことです。「楽しむ遊ぶ」ことでこころを養います。
「楽しむ遊ぶ」状況へ心境を変化させるためには、こころにゆとりを作ってあげることが第一です。そのおすすめは瞑想です。目を瞑ることで、活発化していた脳波が落ち着き、β波やΓ波からα波に変わりリラックスします。 瞑想とは、「視覚を遮断することで自分を一歩下がって眺めることによって、思考をはっきりさせるもの」であり、「リラックスしながらも集中した心で自分を観察する状態」をいいます。
最近5分でも平静だった時間はいつか思い出してください。平静だった時間とは、テレビも見ず、インターネットも見ず、食事間食もせず、読書もせず、過去を振り返ったり将来を見据えたりすることもなく、「ただ何もしない」という意味です。
何もしない時間がこころにゆとりを作ってくれます。
何もしない時間がこころにゆとりをもたらし、ゆとりが生まれることで適度なストレスによる脳の活性化が心地よい疲労=達成感を生み、そのストレスによる疲労と休養のバランスが心の健康に繋がると思います。