不安になる瞬間、それは無意識に対する警戒サイレンを身体がビンビン感じているときです。
「過去から解放されたい」
「過去を上手に忘れる方法がありませんか?」
「過去のことは忘れて、幸せになりたいんです」
といったような願望がある場合、「過去について」きちんと振り返って、その問題の過去と向き合って、その内容について理解を深めていく時間が必要になります。
過去は変えられないけれども、その過去が今も生き続けていて、あなたの人生のどの瞬間に影響し続けているのか、その過去が無意識に今どういう形で再現されているか、理解を深めることが大切になるからです。
「でも過去は変えられないから」
「過去を話す意味がないから」
と思うこともあるでしょう。
過去に起きた対人関係が、辛い、怖い、恥ずかしい体験だった時、それは不平や不満の根っこになっていきます。そのあなたを弱める「虚」という辛い、怖い、恥ずかしい感情を隠すためには、「実」という反対の感情である「わざと楽しい」「わざと平気」「わざと誇らしい」という感情を使って、何事もなかったかのように、さも克服したようにして、善い人を演じ続けます。そのうち過去の対人関係に対する憎悪や恐怖は、「無事」に無意識に記憶され、その「抑圧の蓋」を押さえるのを維持するために、もの凄く善い人であろうとし続けます。
過去に起きたトラウマ(ミス)やトラブル(間違い)は、あなたの無意識にしがみついていて、善い人を演じるたびに、無意識の憎しみや恨みの抑圧を表現することさえままならないと、葛藤が起きて体調を崩したり、病気になったりします。
その抑圧が自分を苦しめていることに気付くには、現状のまま変われないのはなぜなのか?と疑問に思うことです。「失敗するかも」「損するかも」「馬鹿にされるかも」と躊躇していたら、本当にやりたいことをやれないので、そのままです。
そして、過去について話す目的は、過去を変えることではありません。
過去を話すことで、悲しくなったり、恨めしく思ったり、傷ついたことを意識的に再現します。
変えることは物理的にも不可能ですし、その過去の出来事が、あなたにとって「あなたをどのように弱めるのか」を理解して、人生の中のたくさんの出来事の中の一つとして、過去から解放される事が大切です。
過去を忘れることはできないし、むしろ忘れるべきでもないけれど、過去について感じる感情(こころ)を理解して、こころの整理がつくと、思い出すことも少なくなるし、もし思い出しても、それに影響されることもなくなるのです。
無意識を意識化していく(話す)ことで、その過去の再現が意識化で起きます。それは「気付き」になり、新しいことを選択することが可能になるのです。
「大丈夫だよ」と、過去の自分に伝えること・・・それが、過去について話す目的です。
自分の過去を深く理解することで、その再現に歯止めをかけることが出来るようになります。問題の人だと思っていた人とも、自分にとってより良い新しい関係性を築くことが可能になります。