こんなはずじゃなかった、あの時こうしとけばよかった、どうしてこうなんだろう、病気になることなんて望んでない…など、現状起きていることを過去に遡って考えてしまっていませんか?
「今の自分」には「価値がない」と感じているのは、自分の希望や欲求が「満たされているのであれば価値がある」、「満たされていないのであれば価値がない」という二極論(究極の二択)でしか物事を考えられなくなっているのです。ものの見方には側面がありますが、側面から見ることに気づけないほど頭が固くなっているのです。
社会とはこういうものだ。
仕事とはこうすべきだ。
家庭とはこうあるべきだ。
こうしなければ好かれない。
こうすれば安心する。・・・
「価値があるものとはこういうもの」(自分が思い描く結果以外はゴールではない)という枠を無意識に作ってしまっているので、自分の思い描く価値の枠からはみ出た現象が現れると、その現象に価値を見出せません。自分の望んでいない現象が目の前に現れると、変わりたくても変われないのは私のせいではないと思い込んでしまうのです。
完璧じゃない
賢くない
金持ちじゃない
美しくない
偉くない
スリムじゃない・・・・・・
私たちには、ないものを求める志向性があり、日々選択することで、自分の生き方(行先)を決定しています。
つまり、ほかの誰でもない自分自身で今の自分を作り出しているし、こっちだよと今の自分へ導いています。ニューロンという脳神経細胞は絶えず変化し、不要になった使われない伝達経路は「刈り込み」という記憶の消去作業を毎日行っています。そして、行動してもしなくても構造的変化や機能的変化を脳は起こしています。
やらなければやらなかった脳になり、やればやった脳になっていくのです。
「今の自分」には「価値がない」と感じている人は、本当に望んでいることを選ぶことなく、「世間的にはこれが無難」「社会的にはこっちが普通」という自分自身で作り出した枠の中から選択しているので、自分自身が望んで選択しているようにみえて、本当の自分のやりたいことは選択していないのです。
「今の自分には価値がない」、「こんなはずじゃなかった」という嘆きから解放されるためには、狭くなった視野を広げる必要があります。
「あのとき、ああすればという選択ではなく、こうすればという選択をすればよかったのでは?」そう思っているのなら、「こうすればという道を選んだことで自分は何を得ただろう?」と考えてみてください。人生には様々な分岐点や選択肢があり、どちらに進んでも学べることや得られるものがあります。メリットやデメリットもあります。その時のデメリットを大きく感じたからこそ今の自分があるのです。
つまり、病気を含め結果として身に起こるすべてのことが、重要なメッセージを発信しているのです。それをひとつひとつ拾い上げて、そこに潜んでいる「意味」を知る努力をしましょう。「意味」を見出せなくとも、考察するだけでも十分です。深い思考は優先順位に気づきを与え、柔軟性と自己実現の再構築を広げ、人間性を豊かにしてくれます。
今を良くしたいのであれば、過去を受け入れ、肯定することです。生きるという体験は死ぬと終わるのですから、今をワクワクして過ごす方が心を軽くし、こころもからだも躍らせてくれます。過去があって今があるのです。嫌な過去も失敗した過去も今をかたち創るものです。何かを失うという過程がなければ、新しい今の自分と出会うこともできなかったのですから、「思っていたのと違ったけれど、これでよかった!」と思えるのです。
自分を強くするために何かしていますか?
一度決めたことが疎かになっていませんか?
やることにデメリットを強く感じていませんか?
優先順位が自分を改善する順になっていますか?