能力とは、物事を成し遂げられる力を指します。成し遂げる力とは、最後まで完全にやり抜く力です。それは努力、忍耐でも可能ですし、意欲や願望、発奮でも可能です。ただ、それがしたいことならばということが前提になります。仮にしたくないことを成し遂げるには何倍もの抵抗が必要になります。
したいことをやり抜くための能力とは、飽きない工夫や慣れるための時間、意識する=確認する=注意するという記憶に関する脳の力、つまり脳力です。
脳力をあげるためには、実践で多くの経験を積むことが一番の近道だと思いがちです。確かに経験値という多くの自信や確信を受け取れます。でも、どんなに数をこなしても達人の域に達しないのは可能な限りベストを尽くして実践しようとするからです。実はそこには、身についた経験から能力は最大限に、失敗は最小限にとどめようとする「制限」が起きているのです。失敗が少ないということは、不特定要素から生まれる状況変化に対応するべき様々な角度、側面からの経験を自ら減らしてるということです。
失敗しないようにという不安は、今までの成功してきた「枠」の中から選択させ実践させますから、変化をもたらしませんし新たな段階へと進むことができなくなります。
脳力をあげるには、実践よりも学び=「練習」です。練習には「守破離」が大事です。
- 守とは教えや型、技を忠実に守ること(そして身につける)
- 破とは良いものを取り込み、改良を重ね新たな方や技を発展させること
- 離とは独自の新しい教えを生み出し確立すること
特に守はとても大事です。身についていないことができないからといってアレンジしていくことを自己流といって、学びには結び付きません。
練習のコツは、通しで練習するのではなく、細分化して練習します。
動きややることを細分化して、習得するまで練習します。習得しそれから通しながら繋ぎを練習します。
そのためには、脳力を最大限に発揮しながら練習します。
するとたくさん失敗します。繰り返し失敗することで工夫や慣れが脳の神経回路を作っていきます。
次に時間ではなく、回数を重視します。
何時間やったかではなく、繰り返した回数(=行動)で脳は新たな神経回路を強化していきます。
最後に「できた」成功体験を増やし学ぶことで、教えや型、技を忠実に守り、そして習得します。
繰り返すのは、「できない」という間違いではなく「できた」という達成感です。上手くいっている状況を認識し、もっとできるように修正していくことです。そうすることで、神経回路は定着し強固な伝達力を発揮するようになります。
習得した状態とは、脳が変わったということです。変わったことで教えて指導できるということです。
どんな能力をアップさせたいですか?
ぜひそのための練習を今始めてください。